まずはちょっとおさらい。
何事も「突然は突然ではない」
何らかの予兆というものが、必ずあります。
たとえば、
楽天誕生のきっかけとなった、2004年のプロ野球再編問題。
球団経営が苦しくなり、ひとつ球団が減るかもしれない、
ということに端を発した問題でした。
球団がひとつ減れば、当然、選手たちは余ります。
「突然そんなこといわれても…」
と困惑する選手たちでしたが、
観客の入りとか、それに対して、高騰する年俸を見ていれば、
球団経営が危ないんじゃないかな…、
と気がついていてもおかしくはありません。
その気がづいたときに、
球場に足を運んでもらえるように、
選手たちも、何らかの対策をとっていたら…、
もしかしたら、その球団が消えることはなかったかもしれません。
何事も、突然は突然ではないのです。
でも、
これは選手たちだけの責任ではありません。
球団側にも責任があります。
その責任は何かというと、
「球団経営の状況を説明していなかった」
ということです。
球団側は、球団の経営状況を知っていますが、
選手たちは、基本的には知りません。
予兆を感じることはできても、
具体的な数字まで知ることは、知ろうとしない限りできないのです。
つまり、
持ってる情報量の違いから、
球団側と選手側で、”危機感のズレ”が生じているのです。
球団側からすると、
「球場に足を運んでもらえるように、もっとファンサービスをしてよ!」
とか、
「球団の経営が厳しいんだから、年俸についてちょっとは考えてよ!」
そう思っていたかもしれません。
それに対して選手たちは、
「球場に足を運んでもらえるように、もっと宣伝してよ!」
とか、
「去年より成績が上がったんだから、もっと年俸を上げてよ!」
そう思っていたかもしれません。
こういったことは、一般の企業でもよくある話ですね。
社長からすると、
会社を守るため、従業員の生活を守るために、
利益を出して、なるべくキャッシュを貯めておきたい。
でも、
従業員からすると、その利益を還元してほしい。
これも、持っている情報量の違いからくる
危機感のズレなのです。
これがズレたままだと、
関係は悪くなる一方…、
まずは情報の共有をして、同じ認識にすることが大切です。
そのうえで、
「売上があがったら、何らかの形で還元するよ!」
と曖昧にするのではなく、
「売上が○%あがったら、その○%を賞与として還元するよ!」
と具体的にすることで、
お互いが幸せになれるのです。
持っている情報量の違いを放っておくと、
球団問題のようになってしまうかもしれませんよ…。
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