意地の張り方

「意地っ張りだなぁ~」

そういわれたこと、ありませんか?

 

だいたいは、
悪い意味で使われることが多い言葉ですが、
悪いのは意地を張ることではありません。

問題なのは、”どこに意地を張るか”です。

 

たとえば、以前こんなことがありました。

 

売上が落ちてきて、資金繰りが苦しくなってきた
ある会社の社長がいました。

その会社は、億近い借り入れがあり、
毎月の返済もキツイ状況。

 

お得意様からの入金を早めてもらったり、
仕入先の支払いを先延ばしにしてもらったり、
いろいろと手を尽くしたのですが、
どうにも追いつかない状況でした。

 

そんな社長に私は言いました。

「やれることはやったので、
ここら辺で、リスケの決断をしましょう」

リスケとは、リスケジュールのことで、
返済計画の見直しを銀行にお願いすることです。

 

でも…、

 

頑なに、その社長はリスケを拒みました。

 

理由は、
「リスケしたら、銀行から借りられなくなるから」

銀行からの追加融資を狙っていた社長からすると、
リスケは絶対にしたくなかったのです。

 

そして、
どうなったか?

 

従業員の給料が遅配しはじめました。
外注さんにも、ああだこうだ理由をつけて、
減額や遅配がはじまりました。

 

こうなってしまうと、周りの動きははやいです。

 

みなさんも想像はできると思いますが、
従業員や外注さんは、どんどん離れていきました。

 

そんな状況になっても、
リスケだけは絶対にしなかったんですね。
そこにはもう意地しかありません。

 

結果、
追加融資どころではなくなり、
この会社は倒産しました…。

 

意地の張るのはいいのですが、
張るところが間違っているのです。

 

これが、

”何としても従業員の給料を払う、生活を守る”

というところに意地を張っていたら…。
結果は随分変わっていたのではないかと思うのです。

 

意味のないところで意地を張るのは、
本当に意味がないです。

一度俯瞰して考える、客観的に見てみる、
これが重要ですね。

 

この社長も、
他人が同じことをやっているのを見たら、
おそらく、

「リスケしなよ」

って言ってると思うんですよね。

 

リスケを説得できなかった私も、
この話を思い出す度に、胸が痛みます。

 

 

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