「今年も増収増益でよかった、よかった」
ホッとしている社長に、
私がイジワルな(!?)ひと言を…。
「本当にそうですか?」
確かに、
増収増益(前期に比べて、売上も増えて、利益も増える)
は素晴らしいことです。
変化の激しい今の時代、
なかなか出来ることではありません。
しかし!
一時の成功ではなく、
私たちは、長く続く成功を目指しています。
長く続く成功を求めるなら、
増収増益だけで満足してはいけないのです。
説明していきましょう。
企業の状態を見るときに使う書類として、
損益計算書と貸借対照表があります。
損益計算書は、”会社の儲け”を表す書類です。
正確に言うと、”ある1年間”の会社の儲けを表すもので、
会社の収益性を表しています。
一方の貸借対照表は、”会社の財政状態”を表す書類です。
財政状態とは、ふところ具合。
つまり、今現在の財布の中身を表すもので、
会社の安全性を表しています。
イメージとしては、こんな感じです。
儲かった!(損益計算書)
↓
儲かったということは、お金が増える!
↓
つまり、財布の中身が増える!
↓
ということは、会社の安全性が高まる!(貸借対照表)
一時の成功で終わっていいのであれば、
今の儲け(損益計算書)だけ考えていればいいのですが、
長く続く成功を目指すのであれば、
会社の安全性(貸借対照表)を高める必要があるということです。
会社は赤字で倒産するのではなく、
お金がなくなったときに倒産するということを、
忘れてはいけません。
ここで、疑問が出てくるかもしれません。
「え…、だったら、増収増益でいいんじゃないの?」
そうですよね。そう思いますよね。
では、
もうちょっと深掘りしていきましょう。
増収増益には、2つのパターンがあります。
【パターン1】 売上増加率 > 利益増加率
【パターン2】 売上増加率 < 利益増加率
さぁ、
どちらが、会社の安全性を高めるでしょうか?
そうです!
【パターン2】ですね。
今の企業の問題点のひとつが、
売上の伸びに比べて、会社の安全性の伸びが悪い、
ということがあります。
つまり、【パターン1】なんですね。
ここで、”極端な”例を。
修業時代に担当した会社で、
こんな会社がありました。
創業5年で、
”売上5億円”
スゴイですよね!
では、利益の方は…、
10万円…。
どうですか?
でも、これでも”増収増益”なんです。
会社の安全性…、
ありそうですか???
たとえば、
来期売上が10%増えたとしたら、
5億5千万円ですよね。
利益が10%増えたら…、
11万円です(悲)
これは、
どう考えても、バランスしていませんよね。
(まぁ、これは極端な例ですが…)
まとめると、
長く続く成功を目指すのであれば、
儲けの蓄積、
つまり、
貸借対照表を気にしないといけないということです。
増収増益だけでなく、
”売上増加率 < 利益増加率”
売上の伸び以上に、利益を伸ばさないと、
なかなか蓄積されません。
利益の伸ばし方については…、
長くなってしまったので、改めて…。
ちなみに、
先程の例の会社は、なぜあんな数字なのか?
もちろん、原因はひとつではありませんが、
原因のひとつは…、(というか、ほとんどは…)
社長が…、
役員報酬をもらい過ぎていたからです。
ということで、
私が担当になってから、
社長に今後の方向性を聞いて(一時の成功?長く続く成功?)
思い切った減額をしてもらいました。
みなさんの会社でも、
増収増益で満足することなく、
あともう一歩、踏み込んでみてください。
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