”結果にコミットする”
でお馴染のあの企業が、
業績の下方修正を行いました。
しかも、
159億円の黒字予想から、
70億円の赤字予想に。
実に、約230億円のズレ…。
それでも、
本業のフィットネスジムや、英会話は好調とのこと。
では、なぜ大幅赤字なのか?
新聞報道によると、
”負ののれん”が使えなかったから。
これにはちょっと…、
というか、
かなり驚きました。
まず、
そもそもの”のれん”について
説明していきましょう。
”のれん”というのは、
店先にかかっている、あの”暖簾”です。
”暖簾分け”
なんて言葉もあるように、
商売には、名前って重要ですよね。
見た目は同じようなバッグでも、
HERMESとか、LOUIS VUITTONとか、
ブランド名があるだけで、
価値を感じてしまう…、
そんなことってありませんか?
(あっ、価値がないと言っているわけではありません…)
言い方を変えれば、
のれんは、”ブランド価値”です。
でも、
そのブランド価値って、目には見えないですよね。
そこで、いろいろな手法を使って、
目には見えないブランド価値を計算するんです。
一般的に考えて、
企業が企業を買収するのは、
この”ブランド価値があるから”
価値がない企業を買収しようとは思わないですよね。
つまり、
買収する場合は、その価値を上乗せ評価して買うことになり、
この上乗せ分が ”のれん” となるのです。
しかし、冒頭の企業はその逆、
経営不振の企業を ”割安” で買っていたようです。
割安で買っていたということは、
買った側は得をしますよね。
その得した分が”負ののれん”になるのです。
今回の企業の場合では、
前期のデータによると、利益の6割以上が ”負ののれん”だったとのこと。
これは、
「安く企業を買いました! 得しましたよ!」
と同時に、
「経営不振の会社に投資しましたよ!」
ということでもあります。
今期の当初予想(159億円の黒字)の中にも、
この”負ののれん”を見込んでいました。
ですが、
企業を安く買っただけでは、あまり意味がありません。
企業は、”ゴーイングコンサーン”
継続していかなければいけないものです。
つまり、買収後が、より大切なんですよね。
今回の下方修正の背景には、
買収企業の業績回復が思うように進まなかった、
本業とのシナジー効果(相乗効果)が得られなかった、
などの理由から、
企業買収を凍結する路線変更がありました。
企業買収を凍結するのだから、
当然”負ののれん”は使えない、
ということですね。
今回のケースから学べるのは、
”会計は道具でしかない”
ということ。
会計上は利益が出ていたとしても、
安心はできない。
問題なのは、
利益の中身であり、
ビジネスモデルであり、
キャッシュです。
そして、
最も重要なのは、やはり社長です。
今回のケースでも、
「現場主義を進めてきたが、結果的には放置してしまった」
と言っています。
利益が出ているからといって安心はできません。
その利益の中身は?
ビジネスモデルは?
キャッシュは?
社長の考え方は?
これらを定期的にチェックしていきましょう。
会計は道具でしかないのです。
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