任せて任すな。 ”任せる”の大きな勘違い。

”毒まんじゅうは食うな!、任せて任すな!”

平成の30年間で、
時価総額の伸び率が最も大きかった日本企業はどこだと思いますか?

 

ソフトバンク?

トヨタ自動車?

楽天?

ユニクロ?

 

いろいろな企業が思い浮かぶと思いますが、

 

答えは…、

 

自動車やロボットなどのモーターを手掛ける日本電産でした。

 

日本電産の永守重信会長は、

「情熱・熱意・執念の経営 すぐやる! 必ずやる! 出来るまでやる!」

など、数多くの本を出版されているので、
経営者なら知っているかもしれませんが、

もしかしたら、
一般的には、あまり知られていない会社かもしれませんね。

 

日本電産は、創業から50年足らずで、

ハードディスク駆動装置(HDD)用モーターで85%、

光ディスク装置用モーターで90%、

携帯電話・スマホの振動モーターで40%の

世界シェアを獲得しています。

上記以外にも、
世界シェアが高い製品がまだまだあります。

ホントにスゴイですよね。

 

この躍進のひとつの理由が”M&A”です。

 

”M&A”

つまり、
企業の合併・買収ですが、
日本電産は、過去63件のM&Aを行っていて、
そのすべてが成功しているのです。

 

ここが、
先日赤字決算を発表したRIZAPと違うところですよね。

 

日本電産が、M&Aに成功した理由は、

「毒まんじゅうは食うな!」

「任せて任すな!」

この考えを徹底したことです。

 

”毒まんじゅうは食うな”

これは、リスクを徹底的に深掘りすることです。

 

潜在的なリスクを見極めて、

「こんなはずじゃなかった…」

を排除しているんですね。

 

そのためには、
リスクの判断を他人任せにしないで、
自分自身で考える、
自分自身の基準を持つことを徹底しているそうです。

 

そして、
もうひとつの”任せて任すな”
これは、買収後の統合作業です。

 

永守重信会長は、

「経営者は”よきにはからえ”だから失敗するんだ。
ハンズオン(直接参画)こそが大事だ」

と言っています。

 

M&Aは、企業を傘下に収めたら終わりではありません。
重要なのは、そのあとの統合作業なんですね。

 

でも…、

 

この統合作業は大変なので、

”よきにはからえ”

で任せてしまう人が多いのです。

 

正確に言うと、
任せてもいいのですが、
問題なのは、何を任せるか?

 

ここが重要なんですね。

 

”任せる=丸投げ”ではなく、

”任せる=実施を任せる”

これが正しい任せるです。

 

決定は、トップの責任で決定して、
その決定したことの実施を任せるのです。

 

”よきにはからえ”

で丸投げしてしまったら、
それは思い通りになりません。

なるはずがありません。

 

日本国内のM&Aならまだしも、
文化が違う海外となれば、
めちゃくちゃになってしまう可能性が高いですよね。

 

永守会長曰く、

「日本企業による海外M&Aは、

88%は失敗、

10%は成功・失敗のどちらでもない、

残りの2%が成功している」

とのこと。

 

M&Aに限らずですが、

”よきにはからえ”

はよくありません。

 

”よきにはからえ”は確かに楽ですが、
確実に、あとからそのツケが回ってきます。

 

”何かを得れば、何かを失う”
世の中は正負の法則です。

 

成功しようと思ったら、徹底した行動あるのみ。
日本電産の成功から、改めて学びました。

 

 

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