”利益とコスト、どちらが先か?”
起業の相談を受けることがあります。
起業で必ずといっていいほど問題になるのが、
資金調達です。
最初から、潤沢に資金があっての起業は、
なかなかお目にかかれません。
先日受けた起業相談でも、
資金調達が課題のひとつでした。
「自己資金だけでは足りないので、
創業融資を受けたい」
ということで、
資金繰り表や、
収支予測表など、
きちんと準備していました。
それらの資料を拝見すると…、
思わず、
「真面目かっ!」
と突っ込みたくなってしまいました。
というのも、
収支予測表を見ると、
収支トントンなのです。
確かに、
シミュレーションを慎重に考えることは大切です。
予想通り売上が上がるとは限らない、
従業員がきちんと育つか分からない、
思ってもみなかったコストが発生するかもしれない、
慎重に考えれば、考えるほど、
ネガティブシミュレーションになってしまいがちです。
もちろん、
慎重に考えることは、悪いことではないのですが、
お金を借りる、
融資を受けるときに、
ネガティブシミュレーションで借りることが出来るのでしょうか?
だからといって、
勘違いしてほしくないのは、
まったくの絵空事で考えればいい、
何もかもうまくいったポジティブシミュレーションでやればいいという
わけではありません。
考え方としては、
まずは、売上予測を慎重に立てる。
次に、
その売上予測を元にした目標利益を計算するのです。
たとえば、
売上高の10%の利益を確保する。
あるいは、
粗利(付加価値)の20%の利益を確保する。
など、
自分なりの利益目標を先に決めるのです。
そして、
その利益を確保するために、
コストはいくらまで掛けられるのか?
これを考えるということです。
算式でいうと、
一般的には、
「売上 - コスト = 利益」
ですが、
「売上 - 利 益 = コスト」
で考えるのです。
つまり、
コストの枠を決めて、
その配分を考える。
そうすることで、
「自分の給料はこんなに取れないな…」
とか、
「家賃をもう少し抑えよう…」
など、
新たな視点が見えてくるのです。
ということで、
シミュレーションは、
「売上 - 利益 = コスト」
で考える。
最初にコストを考えてしまうと、
真面目な人ほど、
収支トントン、
あるいは、
赤字のシミュレーションになりがちです。
それだと…、
受けられるはずだった融資も、
受けられなくなってしまいますよ!
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