”変えてはいけないものを変えるとき”
スーパードライでお馴染みの
アサヒグループホールディングスが、
21年ぶりに経営理念を刷新しました。
新しい経営理念は、
「Asahi Group Philosophy」
ミッション(社会における使命・存在価値)
<期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造>
ビジョン(アサヒグループのありたい姿・目指す姿)
<高付加価値ブランドを核として成長する
”グローカルな価値創造企業”を目指す>
※グローカル…「グローバル」と「ローカル」を融合させる。
今回の経営理念刷新の背景には、
高まる海外比率があるようです。
社員の半分以上が外国籍となり、
グループ利益の4割が海外から上がってくるという現状に合わせ、
外国籍の社員にも分かるものに刷新する必要性が出てきたのです。
基本的な考えとして、
経営理念は、
そう簡単に変えていいものではありません。
企業の目指すべき方向性がコロコロ変わったら、
どこにもたどり着けない…。
そして、
そんな会社を信用できません。
「カッコイイこと言ってるけど、どうせ、また変えるんでしょ」
そんな風に思われてしまいます。
なので、
変えるには、大義名分が必要なんですね。
今回のアサヒグループの場合は、
”海外比率が高まったことによる刷新”
外国籍の社員にも伝わるものに変えるということで、
大義名分がありますよね。
現CEOである小路明善さんは、
経営理念刷新のきっかけについて、
インタビューでこんな風に答えています。
SABミラーというイギリスの会社を買収したとき、
「東洋の国のビール会社が、君たちのオーナーになるわけだが、
違和感はないのか?」
そう尋ねたところ、
「東洋だとか、日本だとかは関係ない。
大事なのは、フィロソフィーが、オーナーになるアサヒグループ、
特にCEOの小路さんと合っているかどうかだ」
と答えたそうです。
その後、
お互いの考え、想いを話した結果、
”プレミアムビールをつくって販売し、
そのプレミアムビールを飲んで生活を楽しくしてもらいたい”
というもので一致したとのこと。
企業買収は、買ったあとが大切です。
「買ったはいいけど、反発してばかりで、思い通りにならない…」
なんてことがよくありますが、
そんな場合は、
そもそもの経営理念、フィロソフィーが違っているのかもしれませんね。
ということで、
会社の目指すべき方向性、理想像、
そういったものは、簡単に変えてはいけません。
変えるときには、大義名分が必要です。
コロコロ変えていたら、
せっかくいいことを言っていても、
誰にも信用されなくなってしまいますよ!
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