前回に引き続き、IKEAの話題です。
IKEAは、
北欧スウェーデン発の家具・生活雑貨のお店で、
店舗数は、世界で367店舗。
年商は、約4兆5,000億円。
年間来店者数は、約8億3,800万人。
そのうち、
日本は、わずか9店舗ですが、
年商は、840億円!
そんなスゴイIKEAですが、
前回のブログでは、自分事戦略を取り上げました。
今回は、
IKEAの、”パレートの法則”についてです。
”パレートの法則”というのは、
イタリアの経済学者・ヴィルフレド・パレートが見つけた法則です。
”ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出している”
”商品売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している”
”仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出している”
といった、
2割の要素が、全体の8割を生み出しているという理論で、
80:20の法則、ばらつきの法則、
日本では、ニッパチの法則なんて呼ばれ方をすることもあります。
これって不思議なんですが、確かにそうなんですよね。
たとえば、
”ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出している”
私はもちろん、
私のお客さまでもやってみたのですが、
だいたいそうなるんですよね。
本当に不思議です…。
ということで、
IKEAの話に戻りますが、
IKEAの調査によると、
20%は、家のコーディネートに強い興味がある人。
80%が、家のコーディネートに自信がない人。
とのこと。
そこで、IKEAでは、
家のコーディネートに強い興味がある20%の人には、
”夢の部屋”
家のコーディネートに自信がない80%の人には、
”現実の部屋・コピーしやすい部屋”
という考えで、
店舗内のルームセットを、
夢の部屋:現実の部屋 = 2:8
の割合で設定しているそうです。
また、
夢の部屋を店舗の突き当たりに配置し、
マグネット効果を狙ったレイアウトにしています。
マグネット効果というのは、
文字通り、磁石のようにお客さまを引き寄せる効果のことです。
IKEAの場合、
夢の部屋を目につくところ、
たとえば、入口正面奥に設置することで、
とりあえず、店舗の奥まで足を運ばせるのです。
奥まで足を運ばせれば…、
あとは自然と巡回していきます。
夢の部屋のとなりには、現実の部屋があり、
いろいろ巡ることで、購買意欲をかき立てるわけですね。
もちろん、
夢の部屋の方が、いろいろと凝っているので
客単価は高く、現実の部屋の3~5倍ぐらいはあるとのこと。
IKEAの売上は、
夢の部屋の2割が大きく貢献しているということですよね。
こういうことを知ってしまうと…、
純粋に買い物が楽しめなくなるかもしれませんね(笑)
「お店にいいように動かされているのではないか?」
なんて、思ってしまうかもしれません。
でも、
お店とは、だいたいそういうものです。
たとえば、
スーパーの入り口は、必ず野菜コーナーですよね。
あれは、
緑・白・赤・黄色といった、
季節感のある色を出すことで、華やかな気分にさせて
購買意欲をかき立てるという意味合いもあるんですね。
肉とか、魚だと、
だいたい同じ色で、華やかな印象は出せないのです。
もちろん、理由はそれだけではありません、
たとえば、
出入口付近よりも、奥の方が温度が管理しやすいので、
肉とか魚は奥の方にある、
といったこともありますが、
多かれ少なかれ、
私たちは、店の思惑通りに行動してしまうものなんですね…。
だから、
お店に行ったら、
「なぜこの配置になっているのか?」
を、ちょっと考えてみましょう。
何も考えずに配置を決めていることは、まずありません。
必ず何らかの意図を持って、その配置にしているはずなんです。
それを考えながら買い物をしていれば、
新たなビジネスヒントが、きっと浮かんでくるはずですよ!
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