新しいSカーブを描き続ける。

B!

「弱い奴が、強い奴に負けるんじゃない。
遅い奴が、早い奴に負けるのだ」

 

この言葉は、
まさに、”いま”の時代の戦い方を表していますね。

 

モノが溢れている時代では、
商品のライフサイクルも、
どんどん短くなっていきます。

 

「導入期・成長期・成熟期・衰退期」

 

商品を認知させないといけない導入期から、
緩やかに成長期に上がっていく。

成長期に入り、過当競争になる成熟期。
価格競争が起こり、緩やかに下がっていき、
やがて衰退期になる。

 

いわゆる、”Sカーブ”といわれる現象も、
確実に短くなっているのです。

 

ちょっと視点を変えると…、

昔の演歌歌手は、
1曲売れれば10年はもつ。

紅白に出れば、
一生安泰。

 

なんていわれていましたが、
今はそうではないですよね。

 

次から次へとヒット曲を生み出さないと、

”あの人は今”

的な存在になってしまいます。

 

ということで、
今の時代は、ひとつの成功で

「ホッ」

と安心できない時代なんですね。

 

先程のSカーブでいえば、
成熟期に入った段階で、
次の新しいSカーブを描いていかないと、
あとは、衰退していくだけ…。

 

ここに気づけるかどうか?

これが重要なんですね。

 

でも…、

これがなかなか難しいんです。

成熟期では価格競争になりながらも、
ある程度は売れています。

 

売れているときに、
危機感を持つというのは
そう簡単にできることではないんですよね。

 

このSカーブの乗り切り方を、
先日もご紹介したクロネコヤマトの生みの親である
小倉昌男さんの著書「小倉昌男 経営学」がとても参考になります。

 

輸送といえば、大口貨物の時代に、
いち早く個人間の配達、

いわゆる小口荷物に参入したクロネコヤマト。

 

導入期を経て、成長期。
経常利益5%を出せるようになってくると…、

 

今まで「儲からない」とバカにしていた企業も、
小口荷物に参入してきます。

 

そうすると…、

 

過当競争になり、価格競争になるわけですが、
クロネコヤマトでは、そのときには次の商品を導入し、
新しいSカーブを描いていたんですね。

 

それが、「スキー宅急便」です。

スキー板を電車やバスで運ぶのは大変。
事前に送っておけば楽だろうということで、
早くからテストを行っていたんですね。

 

他社が参入してきたときには、
さらに一歩前に行っているので、
価格競争の影響を受けづらくなっているわけです。

 

さらに、新しいSカーブは続きます。

 

スキーの後は、「ゴルフ宅急便」

その次は、「クール宅急便」

 

つまり、

新しいSカーブといっても、

”まったく新しいもの”ではなく、

”既存の延長線上”でいいんです。

 

「既存商品 + 新しいニーズ」

 

クロネコヤマトは、
市場をよく観察して、
次々と延長線上の新しいSカーブを描くことで、
企業として衰退期にならないようにしていたんですね。

 

改めて、
小倉昌男さんは、素晴らしい戦略家だったんだなぁ…、

本当に感心させられます。

 

ということで、

「弱い奴が、強い奴に負けるんじゃない。
遅い奴が、早い奴に負けるのだ」

 

次の一手が遅くなれば、
それだけ負ける確率が高くなります。

 

次から次へと新しい手を打つ。

そのためには、

”経営者は、経営者の仕事をしなければならない”

 

具体的には、

1.企業の方向づけ

2.資源の最適配分

3.人を動かす

経営者はこれらを考えることが仕事です。

 

日常業務に追われて、

「考える時間がない…」

なんて言っているようではダメ!

 

小倉昌男さんのように、
次々と新しいSカーブを描いていかないといけないのです。

 

 

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