「来期の目標は、売上高を前期比110%にすることだ!」
経営目標を掲げることは、
とても良いことだと思います。
しかし…、
意外に多いのは、根拠のない目標を掲げる会社です。
冒頭の、
”売上高を前期比110%にする”
これの根拠がないのです。
「なんとなく…、感覚で…。
去年の1割増しぐらいかな…と思って…」
これだと、
社員から、
「なぜ、前期比110%なのですか?」
なんて聞かれたら、
「なんとなく…だよ…」
とは言えないので、
言葉に詰まってしまう…。
そして、
最後には、
「四の五の言わずにやればいいんだよ!」
無意味に怒って、
社員のやる気を削ぐ…、
なんてことになってしまいます。
ということで、
経営目標を掲げるときには、
根拠が必要です。
社員からの、
「なんで、この目標なんですか?」
という質問に、
理路整然と答えられないといけないのです。
では、
経営目標はどう考えればいいのか?
冒頭の売上目標で考えてみましょう。
といっても、
これについては、
「こうしなければならない!」
という絶対の答えがあるわけではありません。
いろいろな考え方があっていいのですが、
大切なのは、
”根拠があること”
です。
では、どんな根拠が考えられるのか?
そのひとつが、
”利益”
です。
正確に言うと、
”必要利益”
ですね。
必要利益にもいくつかあって、
ひとつは、
”資産規模から見た必要利益”
です。
企業を運営していくためには、
お金とか、設備とか、
いわゆる”資産”が必要ですよね。
その資産を賄うためには、
”調達コスト”
というものがかかっています。
たとえば、
銀行からお金を借りている場合には、
金利。
つまり、支払利息というコストがかかっています。
あるいは、
株主からの資金調達であれば
配当金が必要な場合もあります。
これらの調達コストを上回る利益がなければ、
企業経営をやらない方がいい。
コストを回収できるだけの利益が稼げないのであれば、
やる意味がないのは分かると思います。
ということで、
社員に聞かれたときに、
「当社は、調達コストが〇%かかっている。
このコストを回収できなければ、そもそもやる意味がない。
会社が潰れるだけだ。
やるからには、調達コストを回収し、
さらに、
社員のみんなに還元したり、
未来のための設備投資をしたり、
万が一のときの内部留保をしたり、
会社を継続し、
みんなの生活を守る。
守るだけでなく、さらに豊かにしていくためには、
前期比で110%の売上は必要なんだ。
だから、
全員で頑張って、この目標を達成しよう!」
と答えることができれば、
社員も一応の納得はするはずです。
少なくても、
「なんとなく…」
よりは、ダンゼンいいですよね。
では、
もう一歩踏み込んで、
具体的には、どれぐらいの利益が必要なのか?
これについては、
調達コストが企業によって違うので、
一概には言えませんが、
以下の算式で計算した利益率が5%ぐらいあれば、
一応の合格点になると思います。
ROA(Return On Assets:総資産利益率)
…総資産に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す指標。
ROA
=営業利益(本業の利益:支払利息を支払う前)÷総資産(負債+純資産)
あなたの会社の利益率を計算してみてくださいね。
ということで、
経営目標を掲げるのは素晴らしいことですが、
大切なのは、根拠を持つということ。
根拠もなしに掲げると、
かえって悪影響をもたらす場合もあります。
そして、
根拠に絶対はありません。
今回は、調達コストとの兼ね合いで考えてみましたが、
これでなくても構いません。
大切なのは、理路整然と説明できること。
社員のみんなが納得したうえで働くのと、
モヤモヤしながら働くのとでは、
どちらの業績が伸びるか?
答えは言うまでもありませんよね。
↓クリックして頂けると嬉しいです!(ランキングに飛びます。ご協力ありがとうございます。)
<無料>のメルマガでは、ブログでは書けない情報も公開しています!
経営が楽しくなる "ちょっとした差” 教えます。
”2作連続、Amazon<総合>ランキング1位獲得著者”
税理士・社外CFOパートナー村田栄樹の<経営メルマガ>
https://brutality-ex.jp/fx38664/iroha001
一緒に、よりよい経営を目指してみませんか?