先日、
私のお客さまから相談のメールが届きました。
「私の知人の会社なんですが、
負債が２億近くになってしまって…。
どうにもならないので
アドバイスが欲しいと言われているのですが、
どうしたらよいでしょうか？」
ということでした。
この話を聞いたときに、
まず最初に私が思ったことは、
”顧問税理士は何をしているのか？”
ということ。
もしかしたら、
顧問税理士はいないのかもしれないのですが、
負債が２億円ですからね。
それなりの取引量と推測されるので、
顧問税理士はいるはずだと思うのです。
そして、
次に思ったことは、
相談のタイミングです。
その会社がどれぐらいの年商なのかが分からないので、
何とも言えないのですが、
２億円の負債は、
一般的に考えれば大きな額です。
そうなる前になぜ…、
もっと早く相談してくれないのか？
もちろん、
これも顧問税理士の有無で変わってくる話なんですが…。
ということで、
相談できない顧問税理士はいらない。
相談するのもタイミング。
この２つをまずは思ったわけです。
ですが、
それをいま言ったところで始まらないので、
私は、
お客さまに次のアドバイスをしてあげたらいい、
とアドバイスしました
（ちょっとややこしいですね…）
まずやるべきなのは、
”現状把握”
です。
しかも、
”正確な現状把握”
です。
多くの経営者は、
”見たくない現実を見ない”
習性があります。
まぁ、経営者…というか、
人間誰でもですかね。
”見たくない現実を見ない”
ことで、
負債が２億円にまで膨らんだとも
いえるわけです。
だから、
まず最初にやるべきなのは、
”見たくない現実を見ること”
そのときに大切なのは、
”正確に見ること”
そして、
”紙ベースでまとめる”
ということです。
頭の中だけや、
口頭だけでのやり取りは、
記録に残りません。
ハッキリと現実を理解するためには、
紙ベースにすることが必須なんですね。
紙ベースで、
収支の話をまとめる。
たとえば、
今期の売上高・売上原価・経費・利益。
上記の来期見込みなどを、
紙ベースでまとめて、しっかりハッキリと現実を見るのです。
同じく
財産の話もまとめる。
現在の現預金（会社のもの、社長のもの）
売掛金（未回収）
買掛金（未払金）
借入金
など、
これらの数字を紙ベースでまとめて、
しっかりハッキリと現実を見ます。
そして、
大切なことは、
会社は赤字で倒産するのではなく、
会社はお金がなくなったときに倒産するということ。
具体的にいえば、
”負債が払えなくなったときに倒産する”
のです。
だから、
・すぐに払わないといけないもの。
・支払期限を延ばせるもの。
などに振り分けて、
”短期的なキャッシュフロー”を把握することが
大切なんですね。
一般的にいえることですが、
社長という人種は、基本的に真面目です。
いや、
真面目過ぎるんですよね。
もちろん、
真面目、大いに結構。
私も真面目な人は大好きです。
ですが、
”支払期限”に縛られ過ぎてしまう人が多いのも
また事実。
支払期限は、
相手と交渉して延ばすことも出来るはずなんですよね。
そうかと思うと、
入金は曖昧だったりもするから不思議なんです。
どういうことかというと、
売掛金、
つまり、
未回収を回収していない人が結構多いんですよね。
数字を見ると、
多額の売掛金がある。
「まずこれを回収したらいいんじゃないですか？」
というと、
「先方にも都合があるので…」
そんな回答が返ってくることがあるんです。
「いやいや、そんなことを言っている場合じゃない。
従業員の生活もかかっているんですよ！」
そんな発破をかけて、
回収してもらうことも度々あります。
そんなこんなで、
見たくない現実を見ていくと…、
「なんだ、大丈夫ですね」
なんてことが、結構あります。
正確に現状把握をしていないから、
漠然とした不安が勝ってしまい、
あたふたしてしまうわけです。
だから、
何はあっても”現状把握”
しかも、
”正確な現状把握をする”
見たくない現実を見られないようでは、
経営者にはなれないのです。
そして、
”気軽に相談できる第三者”
これを１人は確保しておくことです。
自分一人で考えていると、
迷宮にハマってしまうのも人間なんです。
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