”90時間が30時間に”
ドラマの影響が強いのだと思いますが…、
私たちは、
医師には、
”熱い人を求める”
傾向が少なからずあります。
プライベートは二の次。
仕事、仕事、で常に病院にいる。
自分の時間を削ってでも、
「絶対に治す!」
みたいな…。
もちろん、
そんな医師だったら、
うれしいのは間違いありません。
でも、
当たり前ですが、
医師も人間です。
休むことも必要ですよね。
とはいえ、
命を扱っている医師は
仕事と休暇のバランスが
とても難しいのも事実。
それを表すひとつに、
残業時間の問題があります。
働き方改革がスタートし、
昨年2019年4月から
大企業の残業時間上限規制が始まりましたよね。
そして、
今年2020年4月からは
中小企業についても
残業時間の上限規制が始まるわけですが、
医師については、
2024年4月から対象になります。
命を扱うという仕事の性質上、
いっせーのせで、
残業時間を削減するのは難しいということですよね。
ということで、
病院の働き方改革は
現実的には難しい面があるわけですが、
そんな中、
いち早く取り組み、
成果を上げている病院があります。
それが、
「聖路加国際病院」
です。
2017年に105歳で亡くなられた
日野原重明先生が有名な病院ですよね。
聖路加国際病院では、
トップダウンで働き方改革に取り組み、
月90時間台だった残業時間を、
月30時間台にまで削減したのです。
具体的には、
1.土曜診療の廃止
2.自己研鑽の禁止
3.ベテランも夜勤
を行いました。
やはり、
90時間を30時間にするには、
劇的に何かを変える必要があります。
以前と同じようにやっていたのでは、
無理なんですよね。
そこで、
まずは、もともと患者さんが少なかった土曜日を
思い切って休診にしたのです。
聖路加国際病院ほどの大きな病院ですからね。
年中無休を望むような声もあるわけですが、
現トップの福井次矢院長は決断したわけです。
この決断は、
トップでなければ出来ません。
次の自己研鑽禁止。
これは、
正確にいうと、
”病院内での”自己研鑽の禁止。
「勉強するなら、自宅でやって」
ということですね。
医師という仕事の性質上、
特に勉強が必須なわけですが、
それが、
業務なのか?、自己研鑽なのか?、
私たち税理士にも
似たようなところがありますが、
難しい問題ですよね。
でも、
あえて
その難しい線引きをするように
トップダウンで命じたのです。
トップダウンで命じることにより、
”帰りやすくなる”
という効果が生まれます。
勉強が必須の医師は
新人であればあるほど、
帰りづらい環境であると思うのですが、
”自宅でやる”
という大義名分ができたことで、
帰りやすくなるわけです。
まぁ…、
実際に自宅で勉強するかは、
その人の努力次第ですが…。
そして、
最後のベテランの夜勤。
今まで夜勤がなかった
医長・副医長・部長クラスにも、
夜勤を担ってもらうことで、
シフトを回しやすくしたのです。
これも、
トップじゃないと出来ないですよね。
部下から、
「医長も夜勤やってくださいよ~」
なんて、
言えないですよね…(汗)
ということで、
何かを劇的に変えるためには、
トップが重要。
トップがやるときめたら、
命令を出してやらせる。
トップダウンが重要ということを
聖路加国際病院の取り組みから、
改めて思いました。
ただし、
注意点は、
”衆知を集める”
ということ。
近鉄グループ総帥
佐伯勇さんの考え方である
”独裁すれども、独断せず”
です。
何もかも一人で考えて、一人で決めるのが、”独断”
そうではなく、
いろいろな人の意見を聞いたうえで、
最後は自分の責任で決めるのが、”独裁”
独りよがりではない
この独裁が、
正しいトップダウンだと思うのです。
トップは、
”決めたことをやらせる”
表現は厳しいですが、
”やらせる
これがトップの大事な仕事なんです。
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