農畜産業振興機構が発表した
2月末の食肉在庫量は、
”56万780トン”
まぁ…、
これが、
どれぐらいの量なのかが、
なかなかイメージしづらいわけですが、
前年同期で比べると、
”11.1%増”
しかも、
これで、
11ヶ月連続での前年超え。
確実に在庫は増えているんですよね。
最近では、
新型コロナウイルスの影響による
外食産業の低迷が話題になっているので…、
さらに
在庫が積み上がるものと考えられます。
では、
在庫が増えることは、
善なのか?
それとも、
悪なのか?
一般的には、
在庫が増えることは…、
”悪”
とされていますよね。
在庫は、
言い方を変えれば、”売れ残り”
売れ残りですから、
当然ながら、”悪”
また、
在庫は、
”キャッシュが寝ている状態”
ともいわれます。
売れることでキャッシュになるわけですが、
売れなければお金にはならない。
つまり、
”寝ているので、動かせないキャッシュ”
そんな考え方も出来るわけです。
ということで、
一般的に、
在庫は、”悪”
なんですが…、
そう単純な話でもないのです。
在庫には、
良い在庫と、悪い在庫があります。
簡単に言えば、
良い在庫とは、
需要が伸びている中での、在庫。
悪い在庫とは、
需要が停滞している中での、在庫。
ですね。
今回取り上げた食肉の場合は、
当然ながら…、
”悪い在庫”
需要が停滞している中で、
在庫が積み上がっているわけですからね。
でも…、
この食肉に関していえば、
良い在庫になる可能性はゼロではありません。
店舗型飲食店は厳しいですが、
その代わりに、
テイクアウト市場、宅配市場は伸びています。
伸びている市場とのつながりを深めることで、
需要は伸ばすことは可能なはずです。
需要が伸びている市場では、
ある程度の在庫を抱えていないと
販売機会を逃してしまいます。
これが、”良い在庫”です。
ということで、
在庫を抱えるビジネスでは、
常に在庫を気にしています。
そのときに大切なことは、
”在庫=悪”
ではなく、
”良い在庫を持つこと”
そのためには、
市場環境の変化に敏感になること。
そして、
自社の在庫適正値を持つこと。
たとえば、
”在庫回転率”
を計算してみる。
在庫回転率というのは、
売上高 ÷ 平均在庫
で計算したものです。
上記の算式の答えが、「5」であれば、
5回転。
一年間で、在庫が5回入れ替わっている。
当然ながら、
この数字が大きければ、大きいほど、
”売れている”
ということですよね。
自社の現状は、何回転なのか?
それを、
何回転にすることが目標なのか?
これらを切り口に、
適正在庫を考えてみるのもひとつです。
いずれにしても、
何の根拠も持たずに、
”在庫=悪”
という考え方はやめましょう。
在庫には、
良い在庫と、悪い在庫があることを
忘れてはいけないのです。
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