無茶ぶりのやり方。

借金10億円を抱えた
ある旅館の復活劇を
テレビで観ました。

 

その旅館は、

不思議なことに、

いつも

”満室”

 

しかしながら、

経営は火の車…。

 

その理由のひとつは、

言葉を選ばすに言えば、

”伝統という名の堕落”

 

「これが昔からの伝統だから…」

この言葉を免罪符として、
仕事量に対して、
多過ぎる人を抱えていたのです。

 

仕事のすべてが細分化され、

 

お盆を運ぶだけの人、

お迎えの太鼓を鳴らすだけの人、

などなど…、

 

仕事時間のほとんどが
暇であろう…、

 

そんなスタッフを
たくさん抱えていたのです。

 

しかも…、

いくら暇でも、

”自分の仕事しかしない”

 

ほかに忙しい人がいても、
手伝わないのです。

 

これでは…、

 

労働生産性は
低くなる一方ですよね…。

 

人が多くなれば、
当然ながら、
人件費は高くなります。

 

設備投資に回すお金がなくなり、
旅館は老朽化、

 

結果として、

限界まで値下げして
お客さんを呼ぶしかなかったのです。

 

そして…、

気がつけば、

”借金10億円…”

 

そんな旅館の立て直しのためには、

”値上げ”

これが必須です。

 

とはいえ…、

 

旅館の改装など、
設備にお金を掛けられない…。

 

何せ、

”借金10億円ですからね…”

 

ということで、
目を付けたのが

”料理”

 

宿泊者にとって
料理はやっぱり大切。

料理の改善に取り組むことにしたのですが、
頑固な職人を動かすのは…、

そう簡単ではありませんよね。

 

そこで、
ある作戦を行ったのです。

それが…、

 

”本当につくりたい料理を
つくってほしい”

そうお願いすることでした。

 

コストなどは度外視、
自由な発想でつくってもらうことにしたのです。

 

すると…、

 

素晴らしい料理ができたのですが…、

一人当たりの原価が、

なんと…、

 

”7万円…”

 

これでは、
当然ながら商品になりません。

 

そこで、
次のステップに進みます。

 

”このクオリティーの料理を、
手頃な食材でつくってください”

 

一度、理想の状態をつくったことで、

”どうしたら、手頃な食材でつくれるのか?”

 

この改善が
より具体的にイメージできるわけです。

 

つまり、

最初から、
高い要求をするのではなく、

”段階的に要求を高めていく”

 

無茶ぶりには
これが必要ということです。

 

この作戦は、
どんな企業でも応用できますよね。

 

いきなり高い要求をしてしまうと、
従業員たちのイメージが追いつかないことがあります。

 

イメージできないものは、

時間をかけても
なかなかどうして、

仕事が進まないものです。

 

ということで、

ビジネスに無茶ぶりは付きものですが、
そのやり方には注意が必要です。

 

”段階的に要求を高めていく”

単なる無茶ぶりは、
従業員を苦しめるだけですよ。

 

 

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