その買い物、ちょっと待った!

「う~ん…、買っちゃったか…」

顧問契約ではなく、決算申告のみをご依頼いただいている
あるクライアントの数字を見て、私は愕然としました。

 

そのクライアントの数字は、
決算申告のみのご依頼のため、
一年に一度しか見ません。

 

一年ぶりに、
数字を見てみると…、

 

現預金は、わずか数万円。
損益の方も、赤字です。

 

これだけでも、
苦しい台所事情が
容易に想像できます。

 

が…、

しかし…、

数字をよく見てみると…、

 

”約700万円の高級外車をお買い上げ!”

しかも新車で…。

 

その会社のビジネスに、
高級外車は必要ありません。

明らかに、”余計な支出”です。

私は、私の役目として言いました。

 

「お金を使う順番、間違えていませんか?」

社長は、イヤな顔をしましたが、
これを放っておくわけにはいかないので、
いま、いかに会社が危ない状態にあるのかを
説明しました。

 

社長ひとりの会社ならまだしも、
その会社には、社員がいます。

雇用の責任もあるわけです。

 

社員というのは、
社長が思っている以上に、
社長の行動をよく見ているものです。

 

その会社の社員たちは、
きっと、こう思っていることでしょう。

 

「高級外車を買う余裕があるなら、
オレたちの給料を何とかしろよ!」

 

当然ながら、
社員たちは、自分の給料は分かっています。

業界相場と比べて、そう高くはないことも分かっています。

 

この不満は、
ふつふつと溜まっていきます。

そして、ある日突然…、

ちょっとしたことで、爆発することです。

 

「社長の高級車のために働いていると
思うとバカらしい!
やってられるかっ!」

 

つまり、

お金がないことも問題なのですが、
社員たちの気持ちの問題も、大きいのです。

 

社長というのは、

”明るく、元気”

これであればいいのですが、

そこに、

”大雑把で、見栄っ張り”

これが付いてくると、危険です。

 

特に、見栄っ張りは…、

厄介です。

 

今回の社長の行動も、
見栄っ張りからきているものと思われますが、
確実に、経営の足を引っ張っています。

 

もちろん、高級車が悪いわけではありません。
高級車を買う順番が違うのです。

 

まずは、
ビジネスでしっかりと儲けて、社員に還元する。

社員の還元についても、
同地域の同業他社の10%増ぐらいの給料を払えるぐらいまで
頑張ること。

さらには、
ビジネスを成長させるための投資を行い、

それでもなお、お金に余力があるときに
初めて高級車が選択肢に挙がってくる。

 

ビジネスを成長させ、
好循環で回すことが出来なければ、
ビジネスに必要ないものにはお金を使えないはずです。

 

とはいえ、

買ってしまったものは仕方がない。

 

大切なのは、”未来”

このあとの一年をどうするか?
お互いにプランを出し合い、話し合いました。

 

この会社の数字を見るのは一年度ですが、
果たして…、どうなっているのでしょうか…?

期待して待ちたいと思います。

 

ちなみに、
私の顧問契約しているクライアントは、
大きな買い物をする場合には、
事前に相談が来ます。

 

みなさんは、お金の使う順番、大丈夫ですか?

大きな買い物については、
事前に、誰かに相談することをオススメします。

 

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