スープはオマケか、付加価値か?

”時短でも過去最高売上達成”

 

働き方改革の一環で、
5年前に営業時間を短縮した「餃子の王将」

 

しかし、
当然ながら、営業時間が短くなれば、売上も落ちる。

 

「餃子の王将」でも、
時短後、毎年のような売上が落ちていましたが、
創業50年目の2018年、
779億3,400万円という過去最高の売上を達成したのです。

 

その売上回復のひとつのキッカケが、

”王将調理道場”

の設置でした。

 

餃子の王将といえば…、

 

昔から、店舗によって味にバラツキがあることで有名…。

まぁ、
それも、ひとつの魅力なのですが、
問題なのは、そのバラツキが、どのようなバラツキなのか?
ということ。

 

どの店も美味しいけど、店舗によって味付けが違うというバラツキなのか?

うまい店、まずい店があるというバラツキなのか?

うまい料理、まずい料理があるというバラツキなのか?

 

バラツキにもいろいろあるわけですよね。

 

そこで、
餃子の王将では、
今まで、ある程度お店に任せていた味付けを、
本部で仕切ることにしたのです。

 

その場所が、

”王将調理道場”

です。

この道場に、全国の店長が、餃子の王将の味を学びに来ます。

 

ただ、

”道場”

というぐらいですから、
教えるのは味だけではありません。

その心も教えています。

 

たとえば、チャーハンに付いてくるスープ。
この位置づけをどう考えるのか?

 

”あくまでメインはチャーハンだから、スープはオマケ程度に付ける”

”チャーハンの美味しさを、より引き立てるためにスープを付ける”

 

スープをつくる工程は、どちらも一緒ですが、
どちらの心でスープをつくった方が美味しくなるかは、
言うまでもありませんよね。

 

ということで、

王将調理道場では、
味のバラツキをなくし、どのお店に行っても美味しい。
技術と心で、高級中華にも負けない料理をつくり、
”期待以上の価値”を提供することを目的としているのです。

 

また、
面白いと思ったのは、その教え方。

 

一般的な教え方は、
まず味を教えて、その料理を実際につくらせる。
同じ味が出せたら合格、というものだと思うのですが、

 

王将調理道場では、

”つくり方を説明させながら、実際に料理をつくらせる”

ということ。

 

どういうことかというと、
学びに来るのは、各店舗の”店長”です。

 

しかし、
店長だけが、その味をつくれても、意味がないわけです。

 

大切なのは、その先。

味を学んだ店長が、各店舗のスタッフに教えることで、
はじめて味のバラツキがなくせるんですよね。

 

だから、

”つくり方を説明させながら”、

料理をつくらせるのです。

 

この訓練をしておけば、
店舗に戻った後、すぐに教えることができますよね

 

また、

説明しながら料理をつくることで、
自分自身の理解がより深まるとともに、
理解が不足している点も分かります。

 

料理だけでなく、何事においても、

”説明させる”

というのは、
とてもいい方法だと思います。

 

ということで、
時短でも過去最高売上を達成した餃子の王将ですが、

その裏では、
たくさん考え、たくさん動いているんですよね。

 

「営業時間が短くなったんだから、売上減少も仕方がない…」

そう思ってあきらめることもできるわけですが、

「営業時間が短くなっても、売上を上げるにはどうすればいいのか?」

こう考えることもできるのです。

 

”どう考えるのか?”

やはり、考え方が大切ですよね。 

 

 

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