”平均で692万円”
これは、
日本経済新聞社が調べた
2018年度の上場企業社員の平均給与です。
上場企業の社員は
2012年度から6年連続で伸び、
今期の伸び率は1%になっています。
対して、
中小企業はどうか?
中小企業白書によると、
中小企業の平均月収は30.2万円。
仮に賞与が3ヶ月だったとすると、
単純計算ですが、
30.2万円 × 15ヶ月 =453万円。
上場企業と、中小企業では、
差が239万円にもなります。
ただし、
これで納得してはいけません!!!
上場企業の692万円(年収)は、日本経済新聞社の調査、
中小企業の30.2万円(月収)は、厚生労働省の調査、
そもそもの調査方法等が違うので
一概には比較できませんよね。
中小企業の賞与も、私が勝手に3ヶ月にしたわけです。
数字は最も客観的なものなので、
数字で話すことは大切なんですが、
”その数字の根拠は何であるか?”
ここをしっかりと確認することが大切なんですよね。
これは自分が話す場合はもちろんですが、
相手の話を聞く場合にも注意が必要です。
数字を元にした話は、説得力があるので、
ついつい無条件で信じてしまいそうになりますが、
それではいけません。
”その数字の根拠は何か?”
言い方を変えれば、
元のデータを見ることが大切ということです。
とはいえ、
上場企業と、中小企業で、
給与に差があることだけは間違いないようです。
たとえば、
厚生労働省が行う賃金構造基本統計調査では、
企業規模間賃金格差が発表されています。
男性社員の場合、
大企業を100とすると、中企業は83.1、小企業は75.5。
女性社員の場合、
大企業を100とすると、中企業は90.3、小企業は82.6。
ざっくり見ると、20%ぐらいの差はあるということですね。
で、
前置きが長くなりましたが、
ここからが本題。
なぜ、
上場企業と、中小企業との間に、
給与差があるのか?
それは、
上場企業と、中小企業では、
単純に財務状況が違うから…、
なんですが、
それを言ったら話が終わってしまいます。
そこで、
視点を変えてみましょう。
上場企業は、
最初から上場企業だったわけではないですよね。
どんな企業も、
”最初は小さい”わけです。
どんな企業も、
スタートはほぼ同じだったわけですが、
成長する企業と、そうでない企業がいる。
この差を考えてみるのです。
差が開く原因…、
どうでしょうか?
いろいろ考えられますが、
やっぱり…、
”人”なんですよね。
そこで働く人の差が大きいんです。
つまり、
優秀な人材を集めることが出来たかどうか?
ここが重要ということなんですね。
では、
優秀な人材を集めるためにはどうすればいいのか?
それには、
人の働きに対して、十分に還元しようと思うことです。
なるべく安く雇おうと思っていたら、
優秀な人材が集まるはずはありませんよね。
自分が就職することを考えれば、
よく分かるはずです。
ということで、
誤解を恐れずに言えば、
上場企業が上場企業にまでなった理由のひとつは、
”給与が高いこと”
高い給与を設定することで優秀な人材が集まり、
さらなる高みを目指すことが出来るわけです。
中小企業の経営者の中には、
”なるべく安く雇おう”
と思っている人が少なからずいます。
そのくせ、
期待値だけは高い…。
その昔、
こんなたとえを聞いたことがあります。
「100円ショップで買ったものに、
1万円分ぐらい文句を言ってくる人…」
100円ショップで買ったものの期待値が高すぎる。
100円ショップで買ったものは、100円の期待値が正しい。
101円・102円あったら、儲けものなんですが、
なかなかそう思えないのが人間なんですよね…。
給与というのは、
企業にとっても、社員にとっても、
重要な要素です。
しかも、
いまは、ネットで簡単にデータが手に入る時代です。
「自分が安く買い叩かれている…」
そう思ってしまったら、
いい仕事をしようなんて、思えるはずがありません。
だからといって、
法外な給与を払えばいいというものでもありません。
会社の財務状況等をしっかりと考えたうえで、
社員がプライドを持てるぐらいの給与を払うことが大切です。
たとえば、
”同業他社に比べて10%高い給与を払う”
これが出来る経営者は立派な経営者だと思います。
給与については、
終わりのない永遠のテーマですが、
”働きに対して還元する”
そう思えるかどうか?
安く買い叩こうなんて思っていたら、
永遠にいい人材は採用できません。
これだけは間違いないです。
そして…、
もうひとつ忘れてはいけないことがあります。
それが、
”働きがい”
お金だけで雇った社員は、お金で去っていきます。
”金の切れ目が縁の切れ目”
ってやつですが、
そうなってはいけないのです。
あぁ~、悩ましい問題ですね…。
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