いつまでも未完成。

先日、

戦後14人目の「千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)」の
達成者が誕生したことがニュースになりました。

 

「千日回峰行」では、
大阿闍梨(だいあじゃり)である酒井雄哉さんが有名ですが、
本当に過酷な修行なんですよね。

 

「千日回峰行」は、
京都・滋賀にまたがる比叡山で、
定められた約260ヶ所を礼拝して歩く修行です。

 

”千日”とありますが、
これは連続ではなく、7年間かけて行います。

1年目~3年目 1日30km 100日間
4年目~5年目 1日30km 200日間
6年目     1日60km    100日間
7年目①    1日84km 100日間
7年目②    1日30km 100日間

約4万km(地球一周分)歩くのです。

 

これだけでも大変ですが、
これだけでなく、
修行5年目が終わったあとに行われる「堂入り9日間」が
さらに過酷です。

 

この9日間は、
断食・断水・不眠・不臥(ふが)
不臥とは、”横にならない”

 

9日間、
横にすらなれないのは…、
かなり厳しいですよね。

 

この「千日回峰行」は、
白装束で、短刀をもって行います。

 

もし修行を止める場合は、
自らの命を断って止める。
短刀には、こんな意味が込められています。

それぐらいの覚悟がなければ、
はじめることが許されない修行なんです。

 

これだけの修業を達成した人であれば、
もうそれで十分だろう…。
そう思うのですが、
「千日回峰行」には、
さらにメッセージが隠されています。

 

実は、”千日”とあるのですが、
実際に歩くのは「975日」です。

 

残りの「25日間」には、

”一生かけて修行しなさい”

という意味があります。

 

つまり、
いつまでも ”未完成” ということですね。

 

いつまでも未完成だから、
修行をし続けることができる。

完成したと思ったら、
そこで修行も止めてしまいますよね。

 

私たちは、
いつまでも”未完成”
だから、日々努力していくのです。

 

 

 

 

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